インターネットやスマートフォンの普及によって、情報を目にする場は個別性が高くなり、マスメディアを通じた一律的な広告コミュニケーションの需要は大きく減ってきています。さらにSNSの利用が広がり、もはや「なにを・どのように言うか」よりも、「誰が・どこで言うか」のほうが広告効果に影響することも多く、いわゆる広告表現に対する社会的関心も商業的期待も減ってきているのが現状です。

こうした時代の環境変化とともに、広告業界を志望する若者も減っているようで、さらにクリエイティブ職に限っては、よりその傾向が顕著になっていると耳にします。こんな時代に、それでもコピーライターになりたいと考えている人は、なぜ就きたいのですか。

「言葉を紡ぐのが好き」であれば、辞めることをお薦めします。コピーとは商業文であり、実際に仕事をしていると、言葉を考える以上に、企業や商品のマーケティングを考える部分が多いのです。さらに文章を職業とする最高峰のプロフェッショナルである小説家や評論家の方々でさえも、このネット時代になってから非常に苦労されているのが現状です。

「企画を考えたりアイディアを出すのが好き」な人にも、違う道があることをお伝えします。たしかに広告コミュニケーションにおいては、発想力が求められることも多いです。しかしその発想力を高く評価してくれるのは、もはや広告業界ではなく、他の産業にある気がします。優れたアイディアを出せる人ほど、他の場所で仕事をしたほうが報われる可能性は高いと思います。

このような時代環境や状況を鑑みても、それでもコピーライターになりたい。そんな想いを持った人を、真剣に応援したい。なぜなら、かつての自分がそうであったから。このような経緯から、CREATIVE CAMPを始めてみようと思うに至りました。

私自身が考える「コピーライターに向いている」人。それは、言葉がうまい人ではなく、発想力が豊かな人でもなく、「人の感情を過敏に察知することができるくらい、人が好き」な人です。広告を目にする人の気持ちを考えるだけでなく、クライアントの担当者の思いも丁寧に汲み取ることができ、かつ一緒に仕事に取り組む仲間の機微にも心を配ることができる。

もちろん、そこにある感情はきれいなものばかりではありません。怒りや嫉妬、哀しみに絶望感。こうした人間らしい感情の「すべて」をきちんと受け止め、きちんと理解し、きちんと向き合うことができる人。それが、コピーライターには欠かせないことだと思うのです。

こうした部分は、すべてのビジネスパーソンにおいて共通しているとも思います。ただ、人の感情に影響する「言葉」を用いる職業だからこそ、この「人」に対する向き合い方は、より重要だと考えています。

長くなりました。こんな時代に、コピーライターになりたい人へ。この文章を読んでなおコピーライターになりたいと考えている人へ。CREATIVE CAMPのプログラムは、かつてコピーライターになりたかった私が、「コピーライターになる前に、知っておきたかったこと・あってほしかった機会」をもとに、構成されています。

「コピーライターになって活躍したいが、そもそも就くことができない」
「コピーライターになるために様々な講義を受けているが、なにも変化が起きない」
そんな悩みをもっているコピーライターになりたい皆様へ。

CREATIVE CAMPは、他のプログラムでは絶対に実現できないようなカリキュラムだと自負しています。このCREATIVE CAMPを通じて、こんな時代でもコピーライターという仕事に魅力を感じる人を増やすことに貢献するとともに、コピーライターの世界に飛び込み、活躍し、業界を変えてくれる人が多く生まれることを期待しています。